先輩就農者に聞いた就農後のリアル就農ロールモデル

ロールモデル:01安齋 宏樹二さんの場合

福島県福島市

安齋 宏樹さん

出身:福島市
安齋さんってこんな人!

いつも仲間達に囲まれている吉津さんは人柄の良さも技術力もピカイチ!若手生産者のリーダー的存在です。(南会津農林事務所Kさん)

現在の経営状況(2023年6月)

収益
面積
  • 露地:約18a
  • ハウス:4a
設備
  • トラクター
  • マルチャー
  • 動力噴霧器(祖父母からの譲渡)
  • パイプハウス
  • 自動灌水設備一式
雇用
アルバイト1名
繁忙期は両親が手伝い

IMPETUS就農のきっかけ

銀行員として3年半が過ぎたとき、成果をダイレクトに感じられる「ものづくり」に興味を抱くようになったのが農業を志したきっかけです。祖父母が小菊と梨を手がける農家で幼い頃から農業は身近にあったものの農作業は手伝い程度。50aほどの田んぼもありますがその規模では農家として食べていくことはできません。そんなときに出会ったのがキュウリです。夏秋キュウリ出荷額日本一を誇るこの地域にはJAによる技術指導や若手育成などの基盤があるため、これならやっていけると思いました。最初はわずか5aに露地キュウリを定植し、キュウリと向き合うことからスタート。徐々に規模を増やし就農3年目で認定新規就農者の認定を受け、今に至ります。

PRE-FARMING就農前の動き

収穫したばかりのキュウリはトゲがいっぱい!トゲの多さは新鮮な証

認定新規就農者の認定を受けるまでの2年間はキュウリの生態を理解し、栽培技術の習得に努めました。きゅうり部会の勉強会に参加することはもちろん、先輩やベテラン生産者のほ場を見せていただいたり、論文を読んだり、自分なりに研究もしました。このように研修のような期間を持つことができたのは、親族名義の農地のほか、トラクターや動力噴霧器などの農機を祖父母から譲り受け、スタート時のマイナス(借金)がなかったことが大きな要因です。金銭的負担が少ないのは精神的にもラクでした。

AFTER STARTING就農後

1年目
管内では珍しい「つるおろし栽培」を実践中
収益
面積
  • 18a
設備
  • -
  • 就農前にマルチャー購入
雇用 アルバイト1名
繁忙期は両親が手伝い

自然を相手にする農業の難しさを学ぶと同時に、
キュウリ栽培の面白さがわかってきたように思います。

就農から実質3年、認定新規就農者としては1年目となる2019年は、農業次世代人材投資資金(経営開始型)を活用し、資材の購入などに充てました。収量だけ見れば前年の方が上回る結果となったこの年は天候に左右される露地キュウリの難しさを痛感。露地キュウリは天候の影響をダイレクトに受けるため、気温や日照時間、降水量などに対応して栽培する技術が必要です。自然を相手にする農業の難しさを学ぶと同時に、この頃からキュウリ栽培の面白さがわかってきたように思います。

2年目
JGAP団体認証を取得している安齋さんのキュウリ
収益
面積
  • 露地 18a
  • ハウス 4a
設備
  • パイプハウス
  • 自動灌水設備一式
雇用 アルバイト1名
繁忙期は両親が手伝い

福島産キュウリの単価が高騰!
樹勢管理や追肥などを適期に行う大切さを学びました。

露地キュウリだけでは安定経営は難しいと考えハウス栽培に乗り出したのが2020年のことです。新たに地主から農地を借り受け、資金繰りは青年等就農資金とJAの補助金を利用。共同選果場を利用し、箱詰め作業を委託できるようになったことも増反の後押しに。この年は福島産キュウリの単価が高騰したおかげで売上げはアップしたものの、増反をしたことで収穫が忙しく、管理作業に手が回らなかった結果、目標の収量には至らなかったことが反省点です。樹勢管理や追肥などを適期に行う大切さを学びました。

その日の天候に合わせて自動灌水装置のタイマーを設定
収益
面積
  • 露地 18a
  • ハウス 4a
設備
  • -
雇用 アルバイト1名
繁忙期は両親が手伝い

周囲のサポートもあり品質は年々向上
ハウス管理を徹底し、効率的に収穫ができるよう安定経営を図っていきたいです。

一昨年、昨年は他産地が不作だったため、福島県産夏秋キュウリは高値で取引されました。それと比較すると全国的に豊作だった2021年は単価が下がり、収益だけで見ると今ひとつと言ったところです。今年は気温差が激しく、雨も多かったことが露地栽培に大きく影響しました。就農してトータルで5年、周囲のサポートもあったおかげで品質は年々向上しているように感じます。露地は天候を的確に読んで収穫期間を長く、ハウスは管理を徹底し、効率的に収穫ができるよう安定経営を図っていきたいです。

OBJECTIVEこれからの目標

ハウスを増反し、半促成栽培(4月定植)と抑制栽培(8月定植)合わせて反収を20t、露地栽培で10tにすることが目標です。現在、キュウリの主枝を摘心した後に発生する子づるを4本用い、それらを摘心しないで誘引を続ける「つるおろし栽培」というこの地域では珍しい手法を取り入れています。従来のアーチ栽培と比較しながら反収アップにつなげていくことを目指しています。“夏秋キュウリ出荷額日本一”の一翼を担う福島市には産地を守る情熱が根付いています。心根の優しさもあります。その環境は農業を志す全ての人にとって理想の土地と言えるのではないでしょうか。ベテランも若手も一丸となって産地を盛り上げていきたいです。

OTHER CASE STUDYそのほかのケーススタディの皆さん

吉田 仁さん

コマツナ周年栽培のスペシャリスト

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田中 圭さん

研究熱心で頼れる存在のアスパラガス農家さん

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佐藤 豊洋さん

先進的な畜産経営に取り組む若手農業者さん

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渡邊 大介さん

牛への深い愛情と明確なビジョンを持つ期待の星

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大内 徹也さん

向上心と情熱を持ったモモ農家さん

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佐藤 太さん

広報活動も積極的なカスミソウ農家さん

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吉津 紘二 さん

若手のリーダー的存在のトマト農家さん

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安齋 宏樹さん

研究熱心で頼れる存在のキュウリ農家さん

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