先輩就農者に聞いた就農後のリアル就農ロールモデル

ロールモデル:05渡邊 大介さんの場合

福島県二本松市

渡邊 大介さん

出身:二本松市
渡邊さんってこんな人!

牛への深い愛情と明確なビジョンを持つ渡邊さんは「開拓の地 あだたら高原」期待の星です。(県北農林事務所Nさん)

現在の経営状況(2023年6月)

収益
飼育頭数
  • 乳牛:39頭
    (経産牛29頭、育成牛2頭、子牛8頭)
  • 肉用牛:4頭
    (和牛繁殖雄牛3頭、和牛子牛1頭)
設備
  • 牛舎(繋ぎ飼い、対尻式)
  • 搾乳機械設備一式
  • トラクター5台
  • 自給飼料生産機械一式
  • たい肥舎
雇用
パート1名(常時)
酪農ヘルパー(週1回)

IMPETUS就農のきっかけ

生家が和牛繁殖農家だったこともあり、幼い頃から牛は身近な生き物でした。牛が大好きな私の夢は自分の牧場を持つこと。実現のために福島県立岩瀬農業高等学校で畜産を学ぶと共に、将来の牧場経営を見据え、在学中に家畜人工授精師の資格を取得しました。卒業後は福島県内の肉用牛繁殖牧場に就職をし、自営就農に向けて知識と経験を得るために、約4年間畜産業に従事しました。

PRE-FARMING就農前の動き

幼い頃から牛が好き。牧場経営を目標に雇用就農、酪農ヘルパーを経験

雇用就農で働いていた約4年間は、牧場長として日々やりがいを感じながらも、他の仕事も経験してみたいという思いから建設業に転職。ところが、牛が好きで牧場経営を目指していた私にとって、建設業は楽しい仕事ではありませんでした。他業種を経験したことで改めて、好きなことを仕事にする尊さを実感して退職し、その後約11年間にわたって酪農ヘルパーとして働きながら酪農に携わってきました。酪農ヘルパーとしてさまざまな農家さんの仕事を間近で見ることで牧場経営の夢を再び抱くようになり、乳牛の愛らしさにすっかり魅了された私は、本気で酪農家を志すようになりました。しかし、新規で牧場経営をするには資金面の不安があり、なかなか踏み出せずにいました。同じ地区で新規就農を果たした先輩酪農家さんからは、「やる気と技術は十分。あとは資金をどうするかだけだね」と、よく言われたものです。

AFTER STARTING就農後

1年目
就農1年目で搾乳量の目標を大幅に更新。
収益
面積
  • 乳牛:33頭(経産牛25頭、育成牛8頭)
  • 肉用牛:2頭(和牛繁殖雄牛2頭)
設備
  • 牛舎(繋ぎ飼い、対尻式)
  • 搾乳機械設備一式
  • トラクター5台
  • 自給飼料生産機械一式
  • たい肥舎
雇用 パート1名(常時)
酪農ヘルパー(週1回)

ヘルパーとして何度も通ううちに「やる気があるのなら、うちの牧場を継いでみないか。」といわれ第三者継承を決意しました。

酪農ヘルパー11年目の年に、毎月利用いただいていた農家さんが健康面の不安と後継者がいないことから離農することに。ヘルパーとして何度も通ううちに信頼関係が強固になっていたことから、「やる気があるのなら、うちの牧場を継いでみないか。」といわれ第三者継承を決意しました。牛や牛舎、設備一式など牧場全体の査定を家畜商や農機メーカーの方へ依頼、それらの支払いには青年等就農資金を活用し、経営を開始しました。搾乳牛25頭を譲り受け、初年度で育成牛が8頭増えました。計画では1頭当たりの搾乳量を20kgとしましたが、平均28〜30kgの搾乳量を確保できたことが、大きな自信になりました。私の仕事ぶりを評価し、信頼して牧場を託した農家さんの思いに応えるためにも、岳地区の酪農を守り、継承することが私の使命です。

2年目
事業継承時に引き継いだ牛舎裏の牧草地では、粗飼料を自ら栽培している
収益
面積
  • 乳牛:33頭(経産牛25頭、育成牛8頭)
  • 肉用牛:2頭(和牛繁殖雄牛2頭)
設備
  • 牛舎(繋ぎ飼い、対尻式)
  • 搾乳機械設備一式
  • トラクター5台
  • 自給飼料生産機械一式
  • たい肥舎
雇用 パート1名(常時)
酪農ヘルパー(週1回)

育成牛がさらに8頭増え、常時雇用のパートと定期的に酪農ヘルパーを活用しています。

就農から2年目を迎え、育成牛がさらに8頭増えました。常時雇用のパートと定期的に酪農ヘルパーを活用しています。高校時代に家畜人工授精師の資格を取得した私は、人工授精から分娩介助に至るまで、自分でできることが強みです。継承した牛舎の裏にある牧草地ではイタリアンライグラス・オーチャードグラスを主体に栽培。その他、離農により使われなくなった草地を積極的に借り入れ、現在27haの牧草地で粗飼料を100%自給しています。自分の体の何倍もある大型トラクターを運転するのが憧れだった私にとって、牧草の収穫・調製作業はとても楽しい仕事です。

OBJECTIVEこれからの目標

既存の設備を最大限に活かしながら、徐々に規模を拡大していきたいと考えています。目標は牛舎を増築し、搾乳牛を40頭に増やすこと。酪農は搾乳した生乳の単価が決まっており、全量買取りなので収益が明瞭なことが特徴です。牛の世話を怠らず、健康的に育てることで搾乳量と品質の安定化が見込めます。生き物を扱う酪農は休みがなく、過酷と思われがちですが、それは過去のこと。現在は酪農ヘルパーに依頼することで休みをしっかり取りながら働くことができます。このような実情と共に酪農の魅力を発信し、地域の発展に貢献することが目標です。

ADVICE先輩からのアドバイス

酪農に向いている人の条件は「動物が好きなこと」。これに尽きます。愛情を持って接し、健康状態を良好に保つことで牛は良い乳を出し、搾乳量も安定します。大切に育てた牛は必ず応えてくれるので、生き物と共に生計を立てたいと考える方にとって、酪農は理想的な仕事だと思います。二本松市岳地区は酪農が盛んな地域ですが、高齢化により酪農家戸数は年々減少傾向にあります。先人たちが開拓したあだたら高原の酪農を次世代につなぐため、若いパワーで酪農を盛り上げていきましょう!

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