先輩就農者に聞いた就農後のリアル就農ロールモデル

ロールモデル:06佐藤 豊洋さんの場合

福島県飯舘村

佐藤 豊洋さん

出身:飯舘村
佐藤さんってこんな人!

デジタル技術やゲノミック評価など、先進的な畜産経営に取り組む豊洋さんは、頼れる地域の若手農業者です!(相双農林事務所Iさん)

現在の経営状況(2023年6月)

収益
飼育頭数
  • 110頭(繁殖牛65頭、子牛45頭)
設備
  • 牛舎
  • トラクター
  • ホイルローダー
  • 牛の行動モニタリングシステム
  • (U-motion)等
雇用
-

IMPETUS就農のきっかけ

四人兄弟の末っ子で育った私は、牛の繁殖農家を営む父の姿を見て、いつかは自分も“牛屋さん”になると、子供の頃から考えていました。高校卒業後、福島県の農業短期大学校に進学し、卒業後は群馬県の牧場に就職。父の牧場で働くことも考えたのですが、いつかは自分で牧場経営をしたい思いがあったため、修行を目的にあえて雇用就農を選びました。畜産と酪農を手掛ける大規模経営の雇用先では、経営のノウハウなどを学ぶことができました。

PRE-FARMING就農前の動き

愛情を込めて牛の世話をする佐藤さん

約3年間を群馬県で過ごした後、飯舘村に戻り父の牧場を手伝いながら独立の準備をしていました。ところが、帰村からまもなく東日本大震災が発生。飯舘村は村全体が避難区域に指定され、私たちも避難を余儀なくされました。牧場経営が難しくなり、父の牧場の牛は全て売却。私自身は新潟県の牧場に再就職をしました。6年8ヶ月を新潟で過ごした後、2017年に帰村。福島県原子力被災12市町村農業者支援事業を活用し、念願の独立就農を果たしました。

AFTER STARTING就農後

1〜3
年目
福島県原子力被災12市町村農業者支援事業で購入したホイルローダー
収益
飼育
頭数
  • 飼育頭数:65頭
  • (繁殖牛40頭、子牛25頭)※3年目
設備
  • 牛舎
  • トラクター
  • ホイルローダー
  • (就農時に購入)
雇用 -

自分の牧場では毎月3頭ずつ繁殖牛を増やし、
3年目の2020年には65頭まで増やすことができました。

繁殖牛は牛を飼い始めてから収益が見込まれるまで約3年かかります。就農1~2年目までは父親の牧場で働き、収入を確保。同時に自分の牧場では毎月3頭ずつ繁殖牛を増やし、3年目の2020年には65頭まで増やすことができました。生まれてから出産するまで、期間を要する繁殖牛は、この間も餌代などの経費(育成費)がかかります。それを賄い、高値で肥育農家に売却するのが理想ですが、相場に左右されるため、額面通りにはいかない難しさがあります。相場が安い時は、自ら肥育をするなど工夫をした1年でした。

4年目
手入れが行き届いた牛舎からも、佐藤さんの牛への愛情がうかがえる
収益
飼育
頭数
  • 飼育頭数:85頭
  • (繁殖牛55頭、子牛30頭)
設備
  • 牛の行動モニタリングシステム
  • (U-motion)
雇用 -

スマホでモニタリングする「U-motion」を導入したことで、
効率化と安定経営を実現することができました。

55頭に増えた繁殖牛は大きなトラブルに見舞われることなく子牛を出産。相場の波はありますが、順当に売り上げを伸ばすことができました。牛の病気や出産事故は経営に直結するため、健康管理を徹底することが必要不可欠。また、種付け時の受精成功率の確率を上げることでコストを抑えることができます。牛の活動状況や発情期をセンサーで検知し、スマホでモニタリングする「U-motion」を導入したことで、効率化と安定経営を実現することができました。

5年目
ゲノミック評価をすることで、牛1頭1頭に適した管理を行なっている
収益
飼育
頭数
  • 飼育頭数:100頭
  • (繁殖牛60頭、子牛40頭)
設備
  • -
雇用 -

勘や経験だけに頼るのではなく、ゲノミック評価などデータに基づいた
繁殖管理をすることで、機会損失を避けられる。

就農当時から年間収益目標を1千万に設定した私は繁殖牛60 頭、市場出荷50頭を目指す経営をしています。目標達成のためには「U-motion」などのデジタル技術や牛の遺伝子検査の導入が経営を左右すると考え、繁殖牛や生まれた子牛のゲノミック評価を実施。その結果から、個体の長所や短所を読み取ることで、相性の良い種雄牛を選ぶことができます。勘や経験だけに頼るのではなく、ゲノミック評価などデータに基づいた繁殖管理をすることで、機会損失を避けられることがわかりました。

OBJECTIVEこれからの目標

常に牛の健康状態と向き合い、適正な管理をすることで良い肥育素牛(ひいくもとうし)を出荷することができます。今後もデジタル技術やゲノミック評価などの最新技術を導入しながら、時代の進化に合わせた牧場経営に取り組む方針です。市場価格や消費者が求める牛の傾向などにもアンテナを張ることで、「佐藤ブランド」と呼ばれる高品質な肉用牛になりうる高値で売れる肥育素牛を出荷していきたいと考えています。大きな目標としては売上を億単位にすること。良い牛を繁殖し、高く評価される牛を市場に出荷して売上を拡大していきたいですね。

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