先輩就農者に聞いた就農後のリアル就農ロールモデル

ロールモデル:03佐藤 太さんの場合

福島県昭和村

佐藤 太さん

出身:昭和村
佐藤さんってこんな人!

SNSや動画配信などで昭和村やカスミソウの魅力を発信してくれる広報マン。若手生産者として、昭和かすみ草「百年産地」を支える主力生産者です。(会津農林事務所Hさん)

現在の経営状況(2022年8月)

収益
面積
  • 約33a
設備
  • ハウス
  • トラクター(中古)
雇用
パート1名(収穫期)、
奥様が農業に従事

IMPETUS就農のきっかけ

都内の大学に進学したものの、自分が将来どんな人間になりたいのか、どんな仕事がしたいのか迷いがあり、24歳の時に一度地元に戻ることを決意しました。昭和村に戻ったことで改めてふるさとの良さを知り、雪室(※)でアルバイトをしながら将来を模索。そんな時に出会ったのがカスミソウです。雪室に運ばれてくる花の美しさにひかれ、自分も生産者になりたいと思い、農業で生計を立てる道を選びました。非農家出身の自分にできるか不安もありましたがそれ以上に大好きな花であり、村の宝であるカスミソウを自分の手で育てる期待感がありました。
(※)昭和村農林水産物集出荷貯蔵施設の通称

PRE-FARMING就農前の動き

村内では佐藤さんのみが栽培するカスミソウ品種「プチパール」

2016年4月から1年間、農業次世代人材投資資金の給付を受けながら、同じ集落にある研修生を受け入れている農家さんのもとでカスミソウの栽培技術を学びました。研修期間中は受け入れ農家の他にも村内のカスミソウ生産者のほ場を見学させていただく機会に恵まれ、生産者によって栽培する品種や方法も異なることや、出荷作業、経営計画などをしっかり学ぶことができました。やり方は異なるものの、全ての生産者に共通しているのが村の基幹産業であるカスミソウを大切に育てる情熱です。自分もその一員になることに、身が引き締まる思いでした。

AFTER STARTING就農後

1年目
可憐なかすみ草の花が咲くハウス内、開花時期の調整が安定収量のコツ
収益
面積
  • 18a
設備
  • ハウス
  • トラクター(中古)
  • 管理機
雇用 なし
収穫時は両親に手伝ってもらった

農業次世代人材投資資金の給付を受け、念願の独立就農を果たした1年目。
営農計画の指導のおかげで、スムーズなスタートを切ることができました。

農業次世代人材投資資金の給付を受け、念願の独立就農を果たした1年目は、かつて祖父母が自家消費のために水稲栽培をしていた土地にハウス10棟を建てることから始まりました。研修期間中、役場やJAなどが連携して独立就農を見据えた研修計画や各種給付金の手続き、営農計画の指導などを行ってくれたおかげで、スムーズなスタートを切ることができたように思います。初年度の定植は4000株。収穫までしっかり持っていけるか不安はありましたが、市場の価格が高騰していたこともあり、なんとか400万円の売上を上げることができました。

2年目
収穫後は染色をし、染めかすみ草として出荷することで差別化を図っている
収益
面積
  • 18a
設備
  • -
雇用 なし
収穫時は両親に手伝ってもらった

2年目からは株数を4500株まで増加!
越冬株を活用した二季咲きにチャレンジしました。

就農初年度は新植に特化しましたが、2年目からは株数を4500株まで増やし、また開花時期をずらすことで収量増につながる越冬株を活用した二季咲きにチャレンジをしました。7〜8月までは順調だったのですが、9月に台風が襲来し、ハウス1棟が壊滅状態に。以降はハウスの修繕作業に追われ、収穫に手が回らなかったことが大きな反省点です。売上は450万円と前年より増収することができましたが、台風の影響を受けなければもっと稼げたと、悔いが残ります。農業は自然との戦いだと頭ではわかっていたものの、その脅威を目の当たりにしたことで改めて農業の厳しさを知りました。

4年目
その日の天候に合わせて自動灌水装置のタイマーを設定
収益
面積
  • 30a
設備
  • ハウス(増設)
雇用 結婚を機に
奥様が農業に従事

栽培技術に自信が持てるようになりハウスを増設!
作業の省力化や効率化を意識しながら作業にあたりました。

3年目は、栽培技術に自信が持てるようになりハウスを増設し、株数も8000株を定植しました。一方でハウスに加え、防草シートを購入するなど設備投資をした焦りから休みなく働き、体調を崩してしまいました。また、株数が増えたことで管理作業が追いつかず、病気で全滅させてしまった苦い経験も。この反省を踏まえ、4年目は体調管理を第一に、作業の省力化や効率化を意識しながら作業にあたりました。結果、就農4年目で売上800万円を達成することができました。

OBJECTIVEこれからの目標

自然災害や体調不良などを経験し、農業はリスクと自己管理が大切と痛感。4年目以降は、省力化と効率化に努めながら作業にあたっています。花きは花を咲かせ、収穫して終わりではなく、長さをそろえて箱詰めするといった出荷作業もあります。これら全ての作業を効率良く進めることが課題です。また、開花時期をずらし、収穫時期が被らないようにすることはもちろん、株数と作業人数などのバランスを見極めることも大切。この収穫調製がカスミソウ栽培で最も難しいところと言えるでしょう。現在、9000株にまで増えた株を全て咲かせ、売上1000万円を達成することが目標。また、村内では自分しか作っていない「プチパール」という品種をより美しく咲かせると共に、SNSや動画配信を通し、昭和村の魅力を発信していきたいですね。

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