ふくのう

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福島県福島市

大内 徹也 さん(和歌山県出身)

経営状況
大内さんってこんな人!
穏やかで誠実なご主人と元気な奥様は頼れる存在。向上心と内に秘めた情熱を常に持っている方です!(県北農林事務所Aさん)
現在の経営状況 (2022年9月時点)
約450a
  • ・スピードスプレーヤ
  • ・乗用草刈機
  • ・軽トラック
  • ・大型冷蔵庫
奥様が農業に従事、
繁忙期は両親の手伝いあり
就農のきっかけ

三重県のスーパーマーケットで青果を担当していました。店頭に並ぶ鮮やかな果物を見れば四季の移ろいが感じられます。そんな美しい旬の食べ物を、いつかは自分で作りたいと夢に描いていました。両親や友人からは「農業は儲からないからやめておけ」と、反対されましたが、農業への思いが途切れることはありませんでした。妻と共に全国の果物の産地を訪れるなど、約2年間を就農の準備に充てました。それぞれの産地ごとに特徴があり、かなり迷いましたがフルーツ王国・福島県に移住したのが2011年4月のことです。

就農前後の動き
就農前は?

二本松市出身の両親が定年後、すでにUターンしていたこともあり、行き来がしやすい福島市での果樹栽培を目指しました。約2年間を研修期間とし、1年目はわたしのみが福島県農業総合センター果樹研究所で研修。当時は就農準備資金などの制度がなく、無収入での研修だったので、貯金を生活費に充てました。2年目は先進農家のもとで、夫婦で賃金を得ながら技術を習得することができました。夫婦2人での作業を想定し、栽培品目は収穫時期がずれることで作業を分散できるモモとリンゴに決めました。同時に始めたほ場探しでは、離農するモモ農家や近隣のリンゴ農家から成木樹をお借りすることができました。

売上の7割を占める大内果樹園自慢のモモ
1年目

認定新規就農者として妻と共に営農を開始。国の支援策である青年就農給付金・経営開始型(現・新規就農者育成総合対策経営開始資金)を受けました。就農初年度で90アールのほ場はかなりの規模でしたが、高齢から離農を決意された方に、ぜひ、引き継いでほしいと嘆願され、モモの産地を絶やさないためにもやってみようと自分自身を鼓舞。日々の作業にあたっていました。この1年は無我夢中で、今、改めて振り返っても、どんなモモを作っていたのか思い出すことができません。当時の出荷先はJA一択だったので、規格を合わせるだけで精一杯だったというのが正直なところです。

  • 90a
    • ・スピードスプレーヤ
    • ・乗用草刈機
    • ・軽トラック
  • 妻が農業に従事、
    収穫時は両親に
    手伝ってもらった
手間を惜しまない行き届いた管理が美味しいモモを育んでいます
2年目

現在では売上の大半を占める直販に着手したのが2年目です。経験を積んだことで1年目より余裕を持って作業にあたることができると思ったのも束の間。この年も離農する農家から声がかかり、ほ場は150アールになりました。正直、夫婦2人だけで手が回るのか、という不安もありました。規模拡大は、頼まれると断れない私自身の性格も理由の一つですが、高齢により離農を余儀なくされる生産者が多く、大切に守り続けてきた畑を耕作放棄地にはしたくない土地への愛着を痛いほど感じたことが最も大きな理由です。

  • 150a
  • 妻が農業に従事、
    収穫時は両親に
    手伝ってもらった
いつも笑顔が絶えない奥様の美千代さん
4年目

新たな設備投資ができる余裕ができたという意味では、4年目が目標達成年になります。スピードスプレーヤ、乗用草刈機の追加に加え、大型冷蔵庫を購入。2年目から始めた直販が口コミによって徐々に広がり、モモの直販は売上の約7割を占めました(3割はJA出荷)。リンゴについてはすべてが直販です。わたしの場合、基本に忠実な果樹栽培を心がけています。丁寧に丹精込めて育てることで、果樹は応えてくれます。わたしも妻も営業が苦手にも関わらず、お客様が増え続けているのは、モモとリンゴが大内果樹園にお客様を呼んでくれたからだと思っています。

  • 220a
    • ・スピードスプレーヤ
    • ・乗用草刈機
    • ・大型冷蔵庫
  • 妻が農業に従事、
    収穫時は両親に
    手伝ってもらった
薬剤を効率よく散布する「スピードスプレーヤ」
これからの目標

就農から10年が経ち、現在はモモ350アール、リンゴ100アールを作付けしています。大変な面もありますが、美味しい自慢の果物を年に一度、お客様にお届けできることはとても幸せなことだと感じています。直販はお客様の声がダイレクトに返ってくる楽しさがあります。大内果樹園の果実を楽しみにしてくださっているお客様のためにも、もっと技術を磨き、品質向上に努めていく方針です。
以前はもっと規模を大きくし、法人化や雇用を考えた時期もありました。しかし、果実に誠実に向き合うことで、まだまだ技術を磨きたいと思うように。自然相手の農業に正解はありません。自然災害や悪天候にも対応するには技術力と経験が重要です。先輩のベテラン生産者のように引き出しを多く持ち、フルーツ王国・福島を守り続けていくことが目標です。

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