Model caseモデルケース


- 現在の経営状況 (2021年11月時点)
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19a
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- ・ハウス
- ・動力噴霧器
- ・自動灌水設備一式
- ・トラクター(中古)
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奥様が
農業に従事
都内で音楽関係の仕事をしていたわたしは30歳を前に地元・只見町での仕事を探していました。そんなときにトマト農家の先輩に声をかけていただき、作業を手伝うようになったのが就農のきっかけです。南会津ブランド野菜のひとつ「南郷トマト」は若い担い手が多く、ベテラン生産者から新規就農者まで協力し合いながら産地を守っています。その様子は活気にあふれ、これまで抱いていた「キツい」、「儲からない」という農業のイメージを覆すものでした。手塩にかけて育てたトマトを収穫したときの達成感が忘れられず、農業で生きていくことを決意したのが2013年のことです。

農家の先輩のもとに就職するかたちで農業人生がスタートしました。一連の作業を経験したことで、天候に左右される農業の厳しさや生産者たちの「南郷トマト」への情熱を肌で感じることができました。独立を具体的に考えるようになったのは雇用就農2年目のこと。先輩に相談をするとすぐにほ場探しや給付金の申請の仕方など独立に向けたサポートに動いてくれました。担い手育成にも尽力するその姿勢からは「南郷トマト」を誇りに思い、産地を守る強い意思が感じられました。

青年就農給付金(現・農業次世代人材投資資金/経営開始型)の受給や、福島県及び只見町の補助を受け、栽培に必要な設備を整えることからスタート。雇用就農とは異なり、すべて自分で判断しなければならない難しさを痛感しました。先輩たちからのアドバイスは「とにかくトマトと向き合うこと」。気を衒(てら)ったことをするのではなく、基本に忠実であることを徹底しました。単収は11tとまずまずでしたが出荷が夏に集中してしまい、出荷後半の9月〜10月に思うようにトマトを成らせることができなかったことが課題となった1年でした。
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19a
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- ・ハウス
- ・自動灌水設備一式
- ・動力噴霧器
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なし
(繁忙期に両親に
手伝ってもらった)

吉津さんのほ場
前年の反省を踏まえ、秋の出荷量を増やすことを目標としましたが、天候に恵まれず、病気の発生もあったことから思うような結果には至りませんでした。それでも前年と同じ単収を上げることができたのは農薬散布や施肥などの管理作業を適期に実施できたからです。こうした栽培管理の勘所をおさえられるようになったことで経験値が上がってきたことを実感。また、夏に出荷量が集中するやり方ではなく、どの月も収量を“平ら”にならすことで、経営の安定化にもつながることを学びました。
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- トラクター(中古)
購入
- トラクター(中古)
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パート1名
(収穫時)

独立就農をしてからは9月と10月にどれだけ収量を取ることができるかをテーマに掲げてきました。それが安定してきたのが6年目のこと。ちょうどこのころ子供が保育園に入園し、夫婦2人での作業ができるようになったおかげで、作業効率が格段にアップしたことが大きな理由です。農業には栽培以外にもさまざまな作業がありますが、妻が手伝ってくれることでトマトと向き合う時間が増え、小さな変化にもすぐに対応できるように。作業が分散化され精神的負担も軽減されました。
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◎
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19a
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- 変更無し
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奥様が農業に従事

出荷期後半となる9月と10月に単収の半数以上となる7.5トンを達成することが目標です。そのためには年間を通した管理が重要。トマトと真摯に向き合いながら失敗も成功も自分の糧とし、日本一とも言われる「南郷トマト」のさらなる品質向上に挑戦していきたいです。独立就農から5年を目処に規模拡大を計画していましたが、自分はまだ力不足というのが正直なところ。トマトを「作りこなす」技術を磨き、ゆくゆくは栽培面積の拡大も視野にいれる方針です。IターンやUターン就農者が多い南会津は、地域で農業を盛り上げる土壌があります。わたし自身が先輩たちに育ててもらったように、今後は担い手育成や雇用の創出にも協力し、次世代につなげていきたいと考えています。
